8月14日(水) 9日目
青森〜安比高原


『ペンション 野ばら』の朝ごはん

たぶん、好きな事をしているからなんだろう、
連日のハードスケジュールも朝の目覚めはいい。
昨晩は、深夜2時に就寝、朝は7時前に目が覚めた。

朝食をいただきに行く。
『ペンション 野ばら』ではニワトリを飼っていて
朝食時に別料金ではあるが生みたての卵が食べられる。
ほんのり温かい卵がその証拠。
卵からちょっとだけパワーをいただいた。





安比高原へ

『ペンション 野ばら』さんには、北海道へ渡る拠点にしている人も多いと聞いていたから
チェックインやアウトの時間は早かったり遅かったりする人が多いのかと思っていた。
しかし、実は我が家みたいに桁外れな時間は初めてだったらしいのです。
無謀なお願いにも、きちんとした対応が嬉しかった『ペンション 野ばら』の
オーナー夫妻に、深々と頭を下げ安比高原に向け出発です。
天気は下り坂。北海道での滞在が最高に楽しかっただけに気分は抜け殻。
しばらく車を走らせるととうとう雨がポツリと降ってきた。抜け殻状態に雨も加わって
気分は急降下。何の予定も無いまま今日の宿泊地の安比高原に向かいます。





「ここに行こう!」

ペンションのある青森県新郷村を出発し
雨で濡れた山あいの道をくねくね走ると程なく秋田県に入った。
途中、大湯環状列石(ストーンサークル)という縄文時代の遺跡に立ち寄ったが、
ワンコが入れそうでもないし気分が抜け殻だし遺跡を見たいという意欲が湧かない。
何気なく、センターハウスの観光案内のパンフレットを見ていたら
棚に秋田県の滝写真集みたいな本が置いてあった。
パラパラッとめくると、きれいな滝の写真が目に止まった。
名前は『曽利ノ滝』と書いてある。「曽利ノ滝、曽利ノ滝」と
忘れないように何度も口でいいながら車に戻った。
地図で探してみると青字の小さな字でしるされている。
あまり観光地的な滝ではなさそう。それなら、なおさらいい。「ここに行こう!」
やっと目標を見つけられた、晴々としたような心持になってきた。
天気も回復傾向のようだ。一路『曽利ノ滝』へ。
国道103号、282号、と乗り継ぎ341号を走っていると
大きな看板に大きな文字で『足湯 無料』と・・・ 滝へ行く前に途中下車である。
暑い時にも熱い足湯がなんともいえない心地よさ。旅の疲れをリフレッシュ!

  





『曽利ノ滝』

国道341号線赤川温泉付近を走行、
カーナビの地図には『曽利ノ滝』と表示され始めました。
近くまで来ているのはずなのに滝という標識は見当たりません。
十和田八幡平国立公園の石碑がある所に車が数台止めらる
駐車場があったのでそこに止め辺りを探すと、谷側に小さな看板に小さく
『曽利ノ滝』入り口とありました。
準備をして出発!





滝へ向かう道に入ると、いきなり深い森の中に入ったといった感じがする。
踏み跡はしっかりしているので、道に問題はないが急な下りが
長旅の疲れが溜まった体に応える。
ピョンピョンピョンと軽快に下っていくエルはどうなんだろうか?
元気いっぱいに見えるが、たぶん疲れているよな〜

一眼レフカメラや三脚を持った重装備のカメラマンとすれ違った。
滝の景色に期待しながら先をすすむ。





歩き始めて15分、滝の全容が見えてきました。
流れ落ちる滝の音が心地良く聞こえます。
迫力のある、それでいてゆったりと
流れ落ちる滝の様子は見ていて飽きません。
道はまだ下へ続いているようなので、
行ける所まで行ってみます。









さらに15分、急坂や段差を下ると、
秘境といった雰囲気の滝つぼが姿を現しました。
時々飛んでくる水しぶきがこちらに飛んできます。
なんともいえない迫力に圧倒されながらしばし滝を眺める。





岩にはまるで発光しているような苔が張り付き
滝つぼの池には何かが住み着いているかのような
深い色で神秘的な雰囲気をかもし出している。
来てはいけない所に入り込んでしまったような
ちょっとヘンな気分になってしまった。





エルに「泳いできな!」って言ったものの、
ここに住み着く池の守り神にエルを連れて行かれたらどうしよう・・・
本気でそんな事考えてしまう幽玄な曽利ノ滝だった。
また雨がポツリときた。
雨具も持ってきてないしここで大雨降られたら大変・・・
急いで来た道を戻ります。









霧のアスピーテライン

アスピーテラインです。濃霧で何にも見えません。
晴れていたらいい眺めなんだろうな〜
走りづらい山岳道路のコーナーを黙々とこなしてゆきます。
途中、八幡平のビジターセンターに立ち寄り情報収集です。
明日、天気が良かったらここら辺をトレッキングをしようと思っています。





『ペンション むってい』

安比高原『ペンション むってい』に到着です。
9泊目は雨のチェックインとなってしまった。
しばらくぐずつく天気だという。
まあ、部屋も広いしのんびりすることにしよう・・・









旅にも音楽

宿に泊まる時、お気に入りの音楽があったらいいなといつも思っていた。
部屋に置いてあるテレビを付けるの好きじゃないし、
今回この長旅のお供として出発前日にCDプレーヤーを買ってきた。
さっそく、出窓の所にセッティング。
アールクルーの『MAGIC IN YOUR EYES』をかけた。
外はしとしと雨が続いている。曲はグットタイムチャーリー。
もう、この旅も終わりに近づいているんだとしみじみ思う。
いつ聞いても大好きな曲だけどこの日は特別心にしみ込んだな〜





豪華フルコースディナー

お品書きがありませんから、何が出てくるのか分かりません。
それも楽しみなもんです。まずは種類いっぱいの前菜から。
キッシュにパテにチーズと、お皿にいっぱい。
サラダもボリュームあってスープ飲んだらすでに腹八分目。
ニジマスの何とかって言う料理が出てきたから、
今日のメインは魚料理、これでおしまい!と思っていたら
フィレ肉のステーキがドンッと運ばれて来てビックリ!
味も二重丸です。





花火がドンッと!

「さ〜て、最後のステーキを・・・」っと同時くらいに
安比高原恒例の打ち上げ花火がドンッと鳴って
今度はエルがビックリ・・・・・・
「何でこんなところで花火が鳴るの〜〜〜?」





8月15日(木) 10日目
湯ったりのんびり


霧の安比高原

今回の旅行も残すところあと2日。
朝から雨。しかもしっかりと降っている。
八幡平のトレッキングも中止。
お昼頃になってやっと小雨になったので、
安比高原のドッグランに行ってエルを楽しませた。
思えばエルを走らせるの久しぶりかもしれない。
旅先でドッグランのような施設は少ないから・・・
エルはトレッキングより楽しかったはず。






温泉へ

ペンションのオーナーさんお薦めの温泉へ行った。
天気もいまいちだし、今日はとことんのんびりするって心に決めた。
露天風呂に入った。女性用の露天風呂は女性専用だが、
男性用は一応混浴になっている。しかし、今は真昼間だ。
・・・と思っていたらご婦人が入って来ましたよ。
ご婦人が。。。
ちょっとびっくらこけた〜〜〜
乳白色のお湯が気持ちいい温泉だった。





温泉の帰り道、車を運転していると左に緑に光る沼がチラッと見えた。
通り過ぎてしまおうと思ったが、気になって戻って写真に撮った。
雄大じゃなくても、ハッと思うような風景に出会うことも旅の面白さです。
雨で洗われ緑鮮やかな安比周辺です。





むってい2日目の夕飯も・・・

今日は和洋折衷の『むってい』の晩ご飯。
またまた凄い品数と凄い量。
そしてまたまた打ち上げ花火の時間がやってきた・・・・・・

  





8月16日(金) 11日目
『2005年夏旅行!』最終日
久しぶりの我が家へ


ブナの森を散策

とうとう旅も最終日となってしまった。
昨日はドッグランと温泉に行った他はずっとペンションの
部屋で音楽を聴いたりボ〜っとしたりしていた。
確かに長旅の疲れはあったので、
ある意味昨日の雨は恵みの雨だったに違いない。
もっと旅を続けたい、でも帰らねばならない・・・
なんともいえない複雑な気分の朝を迎えた。
朝食を食べ荷物をまとめチェックアウトする。
雨が上がり雲の切れ間から青空がちょっと見える・・・

帰路につく前に近くの安比高原ブナの森の散策路を歩いた。
ここは昭和初期に炭を焼いたり薪にするために
伐採されたが残った親木から落ちた種子が発芽して出来た
まだ若いブナ林だという。散策路から見るブナ林は
それはそれは奥が深く道を踏み外したら
戻ってこれなくなるのではないかと思うほどだった。
他に歩いている人も見当たらずほんのちょっと、
ほんのちょっとだけ怖かったブナの森です。





ブナの森散策路のゴール地点に着いたときには
すっかり青空になっていた。
これで、旅行の日程は終わりだ。
しかし、旅のゴールはまだ先、
我が家に無事到着してからがゴールなのだ。





我が家に向け出発!

さあ、我が家に向け出発!
反対車線は安比高原で野外音楽イベントがあるらしく大渋滞。
東北自動車道松尾八幡平から高速に乗った。
一般道から続いている渋滞は高速道にまで続いている。
最後尾の車はイベントに間に合うのかと人事ながら心配してしまう。

「ちょっと寄り道しよう!」。カーナビには宮城の松島をセットした。
今年のゴールデンウイークに、日本三景の広島の『安芸の宮島』と京都の『天橋立』の
2つ観光を済ませているから、帰り道にある宮城の松島に立ち寄って
エルの日本三景制覇をたくらんだのだ。
旅行最後はいい天気に恵まれ、
気分よくハンドルを握ってドライブを楽しんでいた。

しばらく走り、盛岡辺りにさしかかった頃突然、車がゆらゆら揺れだした。
実は北海道に到着してから車のブレーキを踏むとガタガタいうようになっていたから
いよいよ故障するのかと思った。少しスピードダウン。まだゆらゆら揺れている。
「車じゃない地震だよ!」。すぐに分かった。外を見ると高速道の脇の木や標識がゆらゆら揺れている。
ラジオを付けると、地震速報をやっている。震源地は宮城県沖。
被害も出ているようだ。これから向かおうと思っていた宮城の松島、諦めるしかないな〜。

午前11時46分ごろ、宮城県沖を震源とする地震は
宮城県南部の川崎町で震度6弱の強い揺れを観測したらしい。
我が家が東北地方にいることを知っている方達から心配メールが届いた。
関東でもかなりの揺れがあったらしいのだ。
もう寄り道はナシ!我が家に直行です。

電光表示板には『ここで出よ 地震通行止』となっているが、
前の車もICで降りないので我が家もそのまま高速道を走行。
不気味なほどガラガラな高速道、なのだが・・・





東北自動車道の大渋滞

午後1時過ぎ、ノロノロになったあと、
全然動かない頑固な渋滞になってしまった。
かれこれ45分、ほとんど動いていない。
ラジオを聞いていても、高速道路の情報はほとんどない。
この先、どうなっているんだ???





午後5時のお昼ご飯

頑固な渋滞を抜けしばらくは順調に流れる。
午後5時、 宮城県に入りSAでお弁当を買ってガソリンを満タンにする。
地震の影響は?Uターンラッシュは?
渋滞を考えると先が思いやられるが、とりあえず腹ごしらえ。
お昼ご飯を食べそびれていたから腹ペコだ。
宮城名産牛タン弁当だ。ふたを開け肉を持ち上げると・・・
「ギョッ!!!」
『バルタン星人』ならぬ『牛タン星人』が襲いかかってきそうだ。





テールライト

午後7時、日も落ちた。暗闇に延びる
テールライトの列がキレイに見える。
キレイに?渋滞渋滞で思考回路もショート気味だ。
いつもなら一般道に下りようかと考えるところだが
そんな事も面倒になってきた・・・・・・





我が家に到着!

地震に遭いながら、
大渋滞に巻き込まれながら、
『牛タン星人』に遭遇?しながら、
午後10時10分、安比を出発しておよそ12時間後、
無事我が家に到着した。
8月6日に我が家を出発して11日間、
3.320Kmにもおよぶロングドライブは無事終了!

久しぶりに見る我が家が懐かしい。
「帰ってきたんだな〜」ってしみじみと思った。
靴を脱いで部屋に入ると、足の裏から伝わってくる我が家の感触・・・
久しぶりの我が家の床の感触も懐かしい。
エルも我が家に帰ってきた喜びで大はしゃぎしている。
そうじゃないかっ!、ご飯の催促かっ!
腹減ったよな〜〜〜
ご苦労さん!

北海道旅行を続けているごん一家は今頃何をしているだろうか・・・
我が家に帰ってきた事を実感しつつ
楽しかった東北、北海道を振り返る・・・
本当に本当にいい旅でした!!!






今回の旅行の走行距離は、3.320Km。
消費燃料386リットル・・・・・・