2005.10.30

『晩秋の八間山と野反湖』


北の方角には暗く重たい雲がたち込めている。
しかし、見上げる空は快晴・・・
天気が真っ二つに分かれている。
午前8時前、野反湖ヒュッテの駐車場に到着した。

冬、天気が冬型になり湿った季節風が
日本海側から太平洋側に向かって吹き荒れる。
その湿った空気は新潟と群馬の県境にある高い山にぶつかり阻まれ
上昇気流となり新潟県側では大雪が降る。
その後、水分を失った乾いた空気は山を越え太平洋側に流れ込む。
関東地方が晴れて乾燥するのはこのためらしい。

ここから30Kほど東に全長およそ11Kmの
関越自動車道の関越トンネルがある。
冬、晴天の関東地方からトンネルを抜け新潟県に入ると
一面真っ白な雪景色に風景とがらりと変わる。
車で走る時間にしてわずか7〜8分。
この辺りの天気の不思議に驚かされる。

今日は冬型の気圧配置なのだろうか?
冷たい北よりの風が強い。

野反湖には、水温と気温の差だろうか
湖面から霧が湧き上がっている。
煮え立っているようにも見える。
なんとも異様な光景に恐ろしさすら感じる。
湖から吹いてくる強く冷たい北風と
北にある暗く重たい雲を心配しながら八間山に出発だ。





登山口から見る八間山は丘のようになだらかで
笹に覆われたやさしい感じの山だ。
今日は野反湖ヒュッテから八間山を登り
野反湖西側の湖畔を歩く予定だ。
少し前に登山者が一人登って行った。
AM8:10、さあ我々も出発!





登山道に入ると風は急になくなった。





野反湖を見下ろす。




紅葉の季節も終わりを迎え
裸になってしまった木が目立つ。
標高1600m付近からの眺めです。





ナナカマドの真っ赤な実や、
カラマツの黄色の黄葉がわずかに残るだけ・・・





笹原に歩いてきた道筋が見えます。

 





牧草地を歩いているような八間山・・・





山道ですれ違ったのはわずか数人の登山者。
本当に静かで気持ちがいい。
今日は最高の犬連れ登山日和だ!





迫力のある室岩山や白砂山が見えてきた。
稜線のこちら側は群馬県、向こう側は長野県、右側には新潟県の県境がある。









麓は秋景色だったけど標高2000m近くはそろそろ冬支度。
残り少ない秋色をカメラに納める。





AM10:00、八間山(1935m)に登頂。
ガイドブックにはコースタイムが1時間程と
あったが1時間40分もかかってしまった。
ここ八間山山頂は群馬県だが
ほんの数キロ先は新潟県と長野県の県境がある。
ここから苗場スキー場と志賀高原は
それぞれ直線距離で10キロ程の近さなのだ。





山頂付近からの眺めです。

 





しばらく眺望を楽しみ山頂を後にします。
時間がなければ来た道を戻りますが
湖畔沿いのコースを歩くので野反湖北側を目指します。
登りとは対照的なしっとりとした雰囲気の
樹林帯の中に入っていきます。

 





大きい段差にエルも困惑気味・・・
エルは降りられそうなコースを自分の目で確かめ
考えているようにも見えます。「さあ来いっ!」

 





落ち葉を踏みしめる「カサッカサッ」の音がいい・・・





見上げると、枯葉が最後の力を振り絞って
枝にしがみ付いている・・・





歩き始めて4時間、八間山北側の登山口に下りて来ました。
展望の良い静かな八間山でした。
車道を歩いて野反湖北側の湖畔へ向かい、
レストハウスのデッキで温かい舞茸うどんを食べました。
それにしても寒い寒い、気温10℃。
食堂の店内はストーブが焚いてあって
みんな暖かそうに食事をしているのがうらやましいのだ。









レストランからの野反湖です。
これから湖の右側の湖畔にあるコースを歩いて駐車場まで戻ります。


良く整備された野反湖の湖畔を歩く。
ひとっこひとりいないのもちょっと寂しい・・・


湖畔へ降りた。





対岸には今日登った八間山が見える。





しばし見とれる静かな風景。





再び遊歩道へ





カサッカサッ・・・





遊歩道からの晩秋の風景も素晴らしい・・・





歩き始めて6時間、
やっとゴールが見えてきた!





午後2時、車に戻った。
静かな静かなハイキングだった。
紅葉の時期にはちょっと遅かったが
眺めは最高に良かった。
それにしても寒い寒い。
車のファンヒータをつけた。
冷えた体がなかなか暖まらない・・・





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