2010年10月7日

宝永山へ


ガイドブックにはダイナミックな景色の
宝永山の火口が載っていた。
是非、その火口を覗いてみたいと思った。




午前9時、富士山表口5合目を出発した。
しばらく急な道が続くから息が上がってしまう。
標高はすでに2500m、
人によっては高山病の症状が出るとか出ないとか・・・




歩き始めて10分後、
あんなに晴れていたと思えば
アッという間に霧に包まれる・・・




しかし、数分後には晴れ間が見えてくる。
平地でこんな現象はめったにないので実に面白い。




砂礫地にへばり付くように根を張る
植物達は黄葉の季節!




9時30分、6合目の雲海荘の到着する。
雲海荘を過ぎるとすぐに富士山山頂の標識が出てきた。
行ってみたい気持ちを抑えて宝永山に向かう

 




迫力の宝永山岩脈が見えてきた。
マグマが固まって出来たものらしいが、
そんなものがいとも簡単に見られるなんて凄い!
しばらく平坦な道を進んでいくと
次第に宝永山の火口が見えてくる。




宝永山への分岐にたどり着くと
巨大な爆裂口宝永山の火口が目に飛び込んでくる!
その迫力はもう言葉にならないほど。




小学生の遠足かな?頑張ってね〜〜〜!
みるみる火口に吸い込まれていく小学生たち・・・
そんな表現がぴったりな不気味に口を開く宝永火口。

 




砂礫がやすり状で肉球を痛めてしまうので、
ここでエルには靴を履かせる。
靴が脱げないように靴下も履かせこれで万全。




君はだれ?
宝永火口を見下ろす雲の妖怪現る・・・




雲の妖怪に見守られながら
落石の巨大オブジェが並ぶ火口に着いた。
風の音しかしない無機質な光景だ。

 




深い谷底にいるような感じの宝永山火口、
左手には十二薬師という岩脈が迫ってくる。
岩が崩れてこないとも限らない少〜し怖いところだった。

 




火口からの登りは見た目以上にキツイ登り。
砂礫に足を取られ歩きづらい。
一歩踏むと半歩滑り落ちる感じだ。
4本足のエルも苦戦中・・・

 




見たことのない光景が続く。
どこかほかの惑星にでも行った気分だ。




火口を登りきると分岐が出てくる。
標識に従い、火口の縁の尾根の『馬の背』を歩いて山頂へ向かう。
線を引いたように境目がある不思議な霧は
早い速度で馬の背を横切り
我が家の目の前の視界を遮る。
霧の中へ入っていくスリリングな気持ちと不安な気持ちが入り混じるが
追えば逃げるように霧は消えていった。




午後12時20分、山頂に到着した。
案内板は壊れ、柵はなぎ倒されている光景は
気象の厳しさを物語る。
そんな山頂でのエルのお昼ご飯は
ばなな丸ごと一本だ!




山頂の霧はなくなったが遠くの景色は霧の中。
もう霧は晴れないと思っていたら突然山頂が見えてきた。
ほんの一瞬だった。
山頂に居合わせたご夫婦に写真を撮って頂いたが
山頂はすぐに雲に隠れてしまった。
その後、ご夫婦に温かいコーヒーをごちそうになった。
気温12度の山頂だったが、あったか〜い気持ちになった。




標高2630m、こんな所に鳥が飛んできた。
鳥さん達も宝永山登山なんだな!




今度は別の方角の雲がなくなり
下界の街並みが確認できるほどになった。
街並みは線で引かれたように途切れ
その先が海だと分かったのはしばらくしてから、
地図で確認すると駿河湾だということが分かった。
そうするとかすかに見える陸地は・・・
伊豆半島だよ!

 




団体の登山者さん達やって来た。
エルは芸能人並みの(?)扱いで
皆さんカメラを向けてくれるんだけど
そっけない態度ったら恥ずかしい・・・

 




長居をした山頂を我が家も下山することに。
先に下山した団体さんたちが
もう豆粒くらいにしか見えない。




馬の背から火口へ降りる分岐付近、
今度は富士山の山頂から雲が降りてきた。
ガイドブックにはガスが湧いている時は火口の底付近で
方向を見失いやすいので十分注意と書いてあったので
ちょっと焦った。




登りは辛かったけど
下りは砂礫がクッションになり
ちょっとした浮遊感のような感覚を楽しめる。

 




午後3時20分、火口の底に着くと青空が見えてきた。
目まぐるしく変化する空の表情も主役級の役者であったなぁ。
そろそろ下山時間が心配になってきた。
暗くなる前に降りた方がいいからね。




6合目の雲海荘を過ぎた辺りから
再び濃い霧に囲まれた。
もう迷うことはなさそうだけど
今度は本当に雨が降りそうになってきた。




午後4時15分、駐車場に戻ってきた時には
雨がぽつぽつ降ってきた。
エルに履かせていた靴下はボロボロになっていた。
ちなみに、ガイドブックでは歩行時間は3時間となっているが
我が家は7時間かけたことになる。
それだけ時間をかけてダイナミックな景色を
眺めてたって事にしておこう・・・





ガイドブックには、
気象条件によってはもの凄い風が吹き荒れ
視界もなくなる事があるので
天気を十分確認し晴天の穏やかな日に歩くことが
絶対条件のコースであることが書いてあった。
宝永山に登るときは十分に情報を集めてから
行くようにした方がよさそうです。




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