4月30日(水) 5日目 


妻籠宿

旅も5日目、旅疲れが出てきたかと言われればそうでもない。
旅籠屋に泊まっているからご飯を外で食べなくてはならない、
酒を飲んでも量が少ない、宿に戻ってもすることがない、
早く寝てしまう、そして早起き。健康的なサイクルで旅をしています。
そして、今日も早起き。コンビニのおにぎりの
朝ごはんを食べながら妻籠宿へと向かいました。
この旅一番のメインイベントと言ってもいい
中山道自然遊歩道を歩く馬籠宿から妻籠宿への小旅行だけど、
問題はエルがタクシーに乗せてもらえるか?
馬籠宿と妻籠宿を往復は時間的にも体力的にもつらいからね。
そんな心配をしながら朝早い妻籠宿を散策。
朝7時前、妻籠宿に人影はありません。
本当にタイムスリップしてしまったような気がする宿場町の朝。
すると、「行ってきま〜す!」と元気な女の子の声。
映画のセットでもあるような妻籠宿だが
普通に人が暮らしていることを実感した瞬間だった。
人の少ない早朝でなければ感じることのなかった
ごく当たり前の町の自然な表情を見ることが出来たのだ。

 

 

 





タクシー乗れるかな?

さてさて、タクシーだよ。
駐車場の観光案内所は朝早いからまだ誰もいません。
「おいおいタクシー呼べないじゃないか・・・」と
入り口にはバスの時間表が張ってあり・・・・・・よく見ると
その片隅に小さくタクシー会社の電話番号が載っていました。
「よかった!」
電話をすると「大型犬も一緒ですか・・・・・・」と
会話に一瞬間があってビクビクしたんだけど
何とか乗せてもらえることに。
数分後タクシーが到着、エルを連れた我が家を見て
運転者さんの顔が苦笑い。
いくらエルが小さいとはいえラブラドールだからなぁ。
でも大丈夫、ニコニコ顔で「どうぞ!」と言ってくれました。
運転手さんも大の犬好きで今もエルと同じくらいの大きさの犬を飼っているのだそう。
運転手さんの犬も車に乗せたりするのか聞いてみると
「病院に行くときぐらいだな〜」と。
そうだよな、我が家もエルを迎え入れる時
こんなに旅行が出来るとは思ってもみなかったもんな・・・・・・
そんな雑談をしながら馬籠宿に到着。
次に来たワンチャン連れの旅行者にもタクシー乗せてあげてねの思いも込めて
少しばかり、ほんの少しばかりですがチップを受け取ってもらいました。
「どうもありがとうございました!」





馬籠宿

斜面に建てられた馬籠宿、美しいとも感じた。
ここも早い時間だったので人影もまばらで
静かな宿場町を歩けました。
江戸時代、どんな往来があったのか?
想像するだけでワクワクします。
さあ、タヌキさんのお見送りを受け
歴史の道 中山道自然遊歩道に出発だ〜!

 

 

 





中山道自然遊歩道
馬籠宿から妻籠宿を歩く!

午前9時、馬籠宿を出発。
昨日あたりから気温が上昇気味ですが
今日も朝から日差しが強いです。
馬籠宿の石畳の坂道を登っただけなのに
もうすでに疲労感が・・・
おいおい、大丈夫か?
馬籠峠までは登りなのだよ。




でっかい恵那山がお見送り
「行ってきま〜す!」




いきなり民家の脇を通るように案内板が出ていました。
本当に通ってもいいの?
「お、お邪魔します」




石畳の道は昔の面影を残し風情があります。
石畳は斜面の土砂の流失を防ぐ役目があったのだそう。
昔の人の知恵なのだ。







歴史の道、中山道も今は車道で寸断され
何度かアスファルトの道を横断しなくてはならない・・・




梨子ノ木坂で外国の方に追い越された。
そういえば外国の方がここ中山道を歩いているのをよく見かけた。
あとで聞いた話だが外国の雑誌に
中山道のことが紹介されたことがあったそうだ。
それで日本の古い文化に触れようと
外国の方がここに歩きに来るのだそうだ。
「うえるかむとぅじゃぱん〜!」




途中にあった十数軒はあろう古い集落に出た。
住んでいるおばちゃんが民家から出てきた。
失礼かと思ったが声を掛けると
ここは牛で荷物を運んでいた人たちの宿場町だったそうで
牛を待機させる所もあったそうだ。
「柱を見てごらん」
外壁に見えるむき出しの柱などは『ちょうな』という
荒削り用の刃物で削ってあるだけだからザラザラのままなんだそう。
でも、味わい深く興味深い建物だった。
築300年だそうだ。
「古くて古くて床もぼろぼろ、でも住めば都だな」っと
ニッコリなおばちゃんだった。




午前10時26分、馬籠峠に到着。




ちょうどハーレーダビットソンのライダーさんも峠にやってきた。
我が家は土の馬籠峠を・・・
ライダーさんはアスファルトの馬籠峠を・・・
それぞれのスタイルでそれぞれの峠を旅する。
歩くもバイクも旅っていい!




馬籠峠を過ぎればあとは下り道。
岐阜県から長野県に入りました。

つづら折り、いい味出してる中山道




新緑が、見事に輝く中山道




暑いけど、日陰が嬉しい中山道




突然視界が開けた。
一石栃白木改番所跡という所で
なにやら難しいことをしていたお役所の跡らしいが
今は桜咲き乱れるこの光景。
ちょうどいい時期に中山道を歩いたのだと喜びがこみ上げてきた。

 

 

 




お昼にはちょっと早いが、
一石栃白木改番所跡にある
立場茶屋でお昼ご飯。
茶屋といっても跡地のようですが・・・




茶屋の椅子に腰掛け
しだれ桜を眺めながら・・・




途中のお食事処『樹梨』で買った
栗こわめしをほおばる。
栗がたっぷり入っていて、
ご飯がもちもちっとしていて
ほんのり塩分が体に心地よくって、
うまいうまい!って
食べていると・・・




美しい鳴き声とともに
美しい青い鳥が舞い降りてきた。
「ようこそ、中山道へ!」
ささやかれた気がした。

 




夢のような素晴らしい所でした!




中山道は続きます。
男滝女滝でリフレッシュ

 




整備された石段だと思うのですが
なかなかいい雰囲気です。
昔は、わらじもすぐにダメになってしまったらしく
いつも替えを持って旅をしていたのだと聞いた。

 




午前9時に馬籠宿を出発して妻籠宿に到着したのが午後1時半。
4時間半もかかってしまったことになります。
タクシーの運転手さんが「早い人だと3時間切るんじゃないかなぁ」って
言ってたから随分遅いペースで歩いてきたようです。
まあ、早いが旅の面白さじゃありませんから・・・
妻籠宿の茶屋でお茶しながら素晴らしかった
中山道の道のりを振り返りました。

 

 





うなぎ屋

お茶をして車の戻ったのが午後3時ちょっとすぎ。
まだ、遊べる時間なのだが・・・

で・・・、そのあとどうしたかというと、
そのまま土岐の旅籠屋に戻って
昨日食べに行ったうなぎ屋さんに再び直行したのでありました。
それほど美味しかったんだよここの う・な・ぎ!
今日はお酒も飲みたかったから歩いてきました。
まだ明るいうちから刺身やあまごの塩焼きなんかを
つまみに軽くお酒を飲んで・・・
そして最後にうな丼で締めくくり。

「旅って最高〜〜〜!」


うなぎ 季節料理の『横綱』にて





次へ





ELLE'S HOUSE
http://withelle.web.infoseek.co.jp