8月13日(日) 6日目 




気分はサファリツアー

ごんごま家は摩周湖の方の山を登るといって、早朝元気よく出発していった。
今回の夏旅行に出かけるにあたり、お互い連絡を
取り合ったが、「この日はこの山に登ってこの日はどこに行って・・・」と
ごんごま家はきちんと予定を立てている話を聞いた。「エルちゃん家は予定決まった?」
と聞かれ言葉に詰ってしまった。「サロマ湖に行きたいのと、それと知床も行きたいが・・・」
実は旅行一週間前に宿の場所を正確に把握したというほど
のん気に構えていたのである。

今日も「まずは釧路湿原を見る」っていう事しか決めていない・・・
ごんごま家の出発を見送り我が家も出発。
濃い霧というか霧雨に近い朝のお天気だ。
ロッジを出てすぐ、「シカ〜!」とエルママ。
車を止めカメラを向ける。
エゾシカの家族が驚いたようにこっちを見ていた。




国道391号線からコッタロ展望台へ向けハンドルを切る。
釧路湿原の中を突っ切るダートが始まる。
けっこうガタゴトする道だけど、40〜50キロのスピードは出ている。
「ここでシカが出てきたらやばいな・・・」
サファリツアーの気分!







コッタロ展望台に着いた。
ハアハアと息を切らせながら高台に登ると
広大な湿原が目の前に広がる。
「今、釧路湿原を眺めている!」という思いと
「日本じゃないみたい・・・」という感覚が入り混じる。
しばらく眺めていると草むらに白い何かが動いている。


遠くてなんだか分からない。「キーキー」と鳴き始めた。
タンチョウヅル?まるで近くで鳴いているように聞こえる大きな鳴き声。
仲間を呼んでいるのか?すぐに別の2羽が大空を羽ばたき飛んできた。
舞い降りたと思ったら湿原の中に消えてしまった。
ちょっとドキドキした瞬間だった。




今度はエゾシカが姿を現した。「3頭いる!」
テレビのドキュメント番組を見ている気分だ。
「今度はクマが出てきたりしてね」
それはなかった・・・




展望台をあとにする。牧場が続く道へと変わった。
牧草地で大きい鳥が何かをついばんでいるのを見つけた。
タンチョウヅルだ!けっこう至近距離にいる。
車を止め外に出ようとする私に、「エルも
連れて行け」と車の中でワンワン吠える。
「うるさい!逃げちゃうじゃないか・・・」
人の気配にもエルの鳴き声にも
動じることなく何かをついばんでいる。
こんな近くでタンチョウヅルを見られることは
ラッキーなのか?それともよくある事なのか?
気分はサファリツアーなのだ!


 








和商市場で朝ごはん

得した気分の釧路湿原サファリツアーを終え、
お腹が空いてきた。
今日は一日を有意義に使いたいと
ロッジの朝食をキャンセルしたのだ。
そんな訳で、朝食は釧路の和商市場へ行って
名物『勝手丼ぶり』を食べることにした。
『勝手丼ぶり』とはご飯の上に自分の好きな
ネタをのせてもらうオーダーメイドの海鮮丼なのだ。
おばちゃんに「トロ、エビ、イカ・・・」と言って、
ご飯の上にネタをのっけてもらい完成する
世界にたった一つのオーダーメイドの海鮮丼『勝手丼ぶり』なのだ。
値の張るネタをドンドンののっけてもらうと
お会計の時にビックリすることになるのでご注意を・・・
それもまた旅の楽しさかな〜




市場の一角に、ご飯を専門に
売っているお店がある。
器は発砲スチロール。
市場の中のお店は競うように
『勝手丼ぶり』のネタを並べている。
ご飯片手にどのお店にしようか
ウロウロする・・・ちょっと情けない?
何軒もあるお店の中から
ここに決めた。
次々と注文をして
ドンドンのっけてもらう。
生のイカだと思っていたら
違ったりする。
魚の目利きが出来ない我が家・・・
かに汁も付けて
勝手丼ぶりの出来上がり
こんな所で食べるのだ。
発砲スチロールの器がまた縁日の気分。
まあ、体験って事で・・・








厚岸(あっけし)の牡蠣

「厚岸町に行ったら牡蠣を・・・」そんな話を聞いていたので
街道沿いの牡蠣の直売所に立ち寄った。
水を張った水槽に牡蠣がずらりと並べられている。
「ここで食べられればいいのに・・・」と思ったところ
張り紙に『ここで食べられます』って書いてある。
牡蠣を水槽から選びお金を払って紙皿に乗せ
ラップに包んで電子レンジで数分チンするだけなのだ。
とっても手軽に厚岸の新鮮な牡蠣が食べられるのだ。
醤油も用意されていたが、そのままで食べる
牡蠣の香りと塩っけがたまらない!




  








気ままにドライブ

「牡蠣美味かったな〜」
と余韻を感じつつ霧多布湿原目指す。
前方には霧。海から流れ込んでいる。
今日は気ままにドライブの日なのです。








琵琶瀬展望台

琵琶瀬展望台からの霧多布湿原の眺めです。
緑の湿原の中を蛇行しながらゆったりと流れる
琵琶瀬川の青い色が印象的。北海道の広大さを感じる。




湿原の反対側は太平洋の海原が広がる。




「今日の釧路地方の天気は曇り」だったのだが
またまたハズレた今日の天気予報。
「やった〜!」


「ようこそ北海道へ!」
「こ、こんにちは!エルです。よろしく」
そんな会話が聞こえてきそうかな?








霧多布岬

北緯43度、霧多布岬に来ました。
5〜7月頃は花も多いのだそう。
出来ることならばその頃に来てみたいと、
どこまでも、旅の夢は広がる。









北海道、真っ直ぐ道!

信号もない渋滞もない真っ直ぐな
北海道の道を悠々と走る。
それだけでいいと思ったりする・・・










風蓮湖

前田真三の写真集で冬の風蓮湖の写真を見たことがある。
それで風蓮湖の名前は知っていた。
今、国道244号線の風蓮湖付近を走っている。
「どこか展望所はないかな?」
でっかい北海道を悠々走っていると
ガイドブックで調べようなんてめんどくさくなってくる。
すぐ右手に風蓮湖があるはずなのにその姿が見えてこない。
そのまま走り続けると、ふとダートの道が目に入った。
風蓮湖へ出られそうな気がした。
行き過ぎた道を戻ってそのダートの道を入って行く。
風蓮湖に出た。湖畔に民家が一軒と、
小さな桟橋が湖に突き出している。
ひとっこひとりいない静かな風蓮湖を眺めていると
時間が止まってしまったかのような錯覚に陥るのでした。










国後島遠景

「最後に信号があったのはどこだっけ?」
どこまでも果てしなく続く北海道の道。
右手には根室海峡。遠くに大きな島が見え始めました。
国後島です。










野付半島

地図で見るとひょろっとした釣り針のような形をした野付半島。
立ち枯れの木が海水の寝食で減っていてしまい、
ここの景観もいずれなくなってしまうのだそうだ。
美しさの中にもなんとも寂しさ感じる野付半島の景観なのです。
これで今日の観光ドライブはおしまい。
北海道を存分に満喫した一日であった。
エルにとっては退屈な一日だっただろうが・・・









5時過ぎ、『ロッジ シラルトロ』へ帰ってきた。
ヤギのお出迎えに心和む。
ごんごま家は、摩周湖を望むカムイヌプリ(摩周岳)を
登った素晴らしい一日だったようだ。
日に焼けた顔に充実感があふれていた。





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